ヌリッティヤ ラクシャナ ジャパンとは私、山元彩子が主宰する舞踊グループです。1995年、南インドのチェンナイ在住の師A.Lakshmanに弟子入りした私は、1997年に古代インド叙事詩『ラーマーヤナ』の主人公ラーマの誕生日を祝う「ラーマ・ナヴァミ」で初パフォーマンスを行う機会を得ました。師の前座で2曲踊るチャンスを頂き、師はメインの演目『ラーマーヤナ』を1時間以上にわたり演じました。「聖書」や「コーラン」のような聖典を持たないヒンドゥー教において、ラーマーヤナはもう一つの叙事詩「マハーバーラタ」とともにヒンドゥー教徒の心のよりどころだと言われています。ラーマ寺院で行われたラーマの生誕祭での華やかな雰囲気、そして師の圧倒的なまでに美しい踊りが忘れられず「いつか私も『ラーマーヤナ』を踊りたい」と思い続けていました。
願いが叶ったのは、2006年の師A.Lakshman二回目の来日公演の時でした。なんと念願の『ラーマーヤナ』を師とデュエットで踊る事が出来たのです。師との共演、それが憧れの『ラーマーヤナ』だったのは、ダンサーとして生涯忘れることが出来ない素晴らしい思い出です。それ以来10回以上様々な演出でこの『ラーマーヤナ』を演じ続け、私にとっても特別な演目となっています。今回は日本語のナレーションを加えた日本語舞踊劇としての演出で『ラーマーヤナ』を演じます。出演は私、山元彩子、堀友紀子、宮本博の三名。長らくヌリッティヤ ラクシャナ ジャパンで男性役を演じてきた宮本がこの秋に日本を離れるため、この三人編成によるラーマーヤナも今公演がラストとなります。ナレーション(録音)は、20年に渡りヌリッティヤ ラクシャナ ジャパンの公演に彩を添えて下さっている女優の坪井美香さんによるものです。インド人の精神に溶け込んだ『ラーマーヤナ』は、日本人である私達の精神にもきっと多くのモノを訴えかけてくること間違いなしです。アニメ映画「ラーマーヤナ ラーマ王子伝説」と併せて、どうぞ『ラーマーヤナ』の世界をご体感ください!
ヌリッティヤ ラクシャナ ジャパン主宰
山元彩子